Aさんのgg。「東京で生けてきたお花を再現するので、それを写真に撮ってください」とおっしゃったAさん。そして花材を手際よく生けられ完成を拝見すると、水盤の脇に剣山を固定し、水面を魅せた晩秋の湖畔の淵のような佇まいが在りました。お庭に生えている草木を採ってそっと静かに生けられたその世界は、やや枯れ始めた花の表情を艶やかにし、花器の黒と花々の色が際立ち、生命の晩期の美しさを表しているように私には見えました。これは自分の投影なのかもしれないけれど、何も言葉を発しない花は、その姿や匂いで自らの生命を限界いっぱいに表現しているように感じます。花は必ず散るけれど、最後まで見つめていると最後まで美しいのが分かります。そんな風に自分の人生も満ちていけばいいなと思う…。と、個人的な感想はさておき。Aさんはこの今日生けたお花をクロッキーしました。剣山から四方にRを描く曲線の葉をどんな風に描けばいいのか?とても集中して描かれていました。Aさんの後に来られたKさんと少しお話をされ、バトンタッチして本日のggを終えられました。