Aさんのgg。前回、2月に行われる池坊講習会の集大成の作品へ向け生け花のスタイルを形づくったものを元に、今日は実際に生けられた画像を見てデッサンしました。そしてさらに練りを加えてより完成へと向けてエスキースをしました。おおよそのイメージが決まり、お花がたちが決まり、次はそのイメージを決められた短時間で再現するための技術的な作業の習得です。針金や接着芯となる素材などを検討し、自由花ならではの大作へとつながる具体的な工程。こうしてじわじわと自分のお花へと近づいていく過程を少しでもご一緒することができて、私も幸せです。そんなAさん、実は前回のggの折に「昨年末に愛犬を亡くされた」とご報告くださり、心から大切にされていたペットとの別れを経験されていました。私も同じようにペットを飼っている身として身につまされる思いが重なり、何か私にできることをしたくて油画を描きました。折しも一年前に愛犬ラッキーとggへお越しくださった写真があり、それを元に描きました。「少し時間が経った今になって心にくるものがある」とおっしゃるAさん。絵を見ながら涙を流されておられました。私には何もできないのかもしれませんが、天国にいるラッキーがAさんを見守っているに違いはなく、たくさんの流した涙とともにこの悲しみも昇華されることをお祈りしています。「写真では伝わりきらないラッキーの感触がある」と仰ってくださって、絵は、この世界にはまだ必要なものなのだと改めて思いました。ラッキー、これからは天国からいつもAさんを見守っててね。