20240801



今月から新しくご入会されたMさん。将来的にアートイベントを立ち上げるという目標がおありです。その第一歩として、絵画を勉強&体験する目的で、ggを訪れてくださいました。Mさんのヴィジョンをお聞きして、そのヴィジョン達成のために、どのようにggを活用してゆくか、二人で計画しました。凡そ一年かけて絵画の基礎的な部分を、12人の作家の模写を通して学んでゆきます。その第一歩、私たちが選んだのはジャクソン・ポロックでした。もともとMさんはポロックが好きだったそうですが、まさか初っ端からポロックのような作画が出来るとは思っていなかったようで、最初のセッションのときに私が「出来ますよ」と言ったのをびっくりされ「じゃあポロックでお願いします!」とワクワクしながら始まりました。1ヶ月に4回の受講をご希望だったので、3回を描写の時間とし、残り1日をその月作家のまとめとし、これからその様子を2回に分けて綴っていこうと思います。

Mさんのggはご自宅での出張講座です。ポロックの初日まずは部屋を養生テープで覆うところからスタート。ゆくゆくは古民家などをアトリエにして思う存分出来るといいですよね、と話しながら部屋全体をマスキングしました。初めはMさんに自由に思いつくままポロックっぽく描いてもらいたかったので、存分にやってくださいとお伝えしました。Mさんが最初に選んだ色はマリンブルー。おそるおそる絵の具をキャンバスへ垂らしてからは、黄色や赤、黒など感覚的に色を選び、ドロッピングしていきました。絵の具の粘度や筆の大きさで滴り具合が違うこと、絵の具をドロップするストロークで画面の表情が変わること、など、新しい体験は、時間があっという間に過ぎたようでした。初日後「家でこんな簡単にアクションペインティングができると思わなかった!1日目が終わって片付けをしていたら、ドっと疲れが襲ってきてた。普段使わない脳を使った感じ、一日中英語を話す感じに近い」また「ご飯の彩りが気になって、色がつく薬味を足したくなった」というフィードバックをもらいました。

Mさんのggでは、Mさんご自身が絵画を学ぶ一方、将来Mさんがイベントを企画したときに、どのように参加者へアプローチしていくか、という側面も視野に入れて講座を行なっています。そのためMさんにもふたつの視座で受講してもらっていますが、まずは絵画制作を十分に体験してもらうことが重要だ、と私は考えています。なので、前述したMさんの純粋なフィードバックは、私にとっても大変嬉しい感想でした。目前の世界が、今まで見てきた景色と違って見えることは、アートの楽しみのひとつです。まずは失敗を恐れず、どんどん体験していってほしいと思います。