Mさんのgg。2回目の作家はフィンセント・ファン・ゴッホ。言わずと知れたオランダのポスト印象派の画家。数ある代表作のうちMさんが選んだのは「夜のカフェテラス」。南フランスのアルルに移り住み、未来への希望に溢れていた頃のゴッホ。青い夜空と黄色いガス燈の響きあいが美しい作品ですね。
事前にyoutubeでこの作品の描き方を検索し、下地まで仕上げておられました。有名な絵だから多くの方が模写をしていて、プロセス動画もたくさんあります。ゴッホの本作は油絵の具で描かれていますが、当時もしアクリル絵の具があればゴッホは使っていたかな?速書きで1日に一枚仕上げるほどのスピード制作だったから、アクリル絵の具との相性も良かったのかもしれないな、などと思いを馳せながら、ゴッホをスタート。
Mさんが動画を見ながら描いた画面は、くっきりはっきり面で色分割されてありました。ベタ塗りにされていたため画面に遠近感がなく、Mさんもこれからどう描けばいいか分からない、と手が止まってしまったようです。参考にしたという動画を見せて頂きましたが、私とは描き方が違っていたため、せっかくでしたが、少しづつ下地を崩すように描画していきました。この描き方を否定しているのではありません。動画のように手を加えてゆけば上手く完成すると思います。ただ私の描き方や、目的を明確に持ってggを受けているMさんに対する指導方針と違っただけ。描き方は作家の数だけありますから、自分の描き方を再確認するいい材料になリました。
さて先ずは、カフェテラスのデッキ部分。道路よりひと段上がるデッキになっているため、デッキの高さを出すために、側面を一本入れました。そして、白く残されていた一番遠くにある灯台のような建物を、その他の建物と同じように暗めに抑え、次に、右手前にあるガス燈に照らされた建物にも色を載せていきました。この絵の特徴である一点透視図法の消失点にあたる画面中央の壁辺りにも、左横と同じ明度の黄色がのせてありましたから、明度を下げた色をのせ、距離感を感じられるよう整えました。次に、画面中央に点々と配置されているテーブルのあたりをつけ、テーブルに座る人達も加えました。テーブルを描くことでより遠近感が出てきますね。ただMさん、このテーブルや人々を描くことが難しいと感じて、ついつい後回しになってしまうようです。その気持ちよーく分かります!私も絵を習い始めた当初は、本当にこういうのがめんどくさくて、最後まで描きたくなかった。だけど嫌なことって後回しにすればするほどどんどん重要度が増すんですよね。最終的にどうしても描かなければならなくなり、イヤイヤ後から描くものだから、取ってつけたようになってしまい、結局最初から描くのが正解なんだと痛感したものです。楕円とか幾何形態って苦手な人は苦手ですよね(←私)。得意な人は苦もなく描いていてすごいなって今だに思います。人型も然り。人っていうだけで、もう描けないってお手上げになっちゃう感じもよく分かります。でも、その思い込みを少しづつほぐしてゆくように、手を入れていくと、いつの間にかそれっぽくなってる。こうなると俄然モチベも上がりぐんぐん筆も進んでいきます。二日目にはそんな楕円や人型をそれっぽく描くコツを、イーゼルを並べて伝えていきました。