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Aさんのgg。以前より通われている池坊の上級講座の一年の集大成的な制作展示が2月にあり、そのための構成を実際の花材を用いて思案しました。このために揃えたという花器は、ゆであずきに茶を足したような深い赤みをおびており、所々に銀箔があしらってある品格のある花器です。ご持参されたお花は白菊を中心にゼラニウムや柳など、ひとまず葉や花の色味や配色を考察するためのもの。最初は花器を横向きに設定し、その動きと照応するような数本の枝で空間を構築し、視点の結着として白菊を中心に生けてありました。主になる花の色や種類を焦点に話をしていたのですが、どういうきっかけだったか、ふとAさんが花器の向きを変えられた(か、ご自身が立ち位置を変えたか)して真横ではなく奥行きのある方へ正面を捉え直してみると、スッと腑に落ちる美しさが現れました。二人で「あっ」と小さく感嘆の声を飲み込み、「ここいいね」と一致。以来この正面でより緊張感のある美しさを引き出すためにどうしたらいいか、いろいろな枝を交えて試行錯誤していきました。これはまさしく「お花で描くデッサン」です。とってつけて、オアシスを変えて最初から生け直し…。最初のひらめきをより美しく強固にするための練る作業は、本当に楽しかったです。デッサンは鉛筆と紙だけではあらず。モノに触り、見えないものを形づくっていくことこそが真髄。Aさんも楽しい時間でしたと言ってくださって私も本当に嬉しかった。未知のものをつくりだしていくことは、やっぱり相当楽しいことですね。そうしてつくりあげたものが誰かの批評を受けたとしても、つくりだすプロセスに喜びという充実が溢れていれば、先ずはOK。そこからまた一歩始めていける気がしました。