Aさんのgg。先日今年度の東京での講習会へ行かれてきたAさん。そこでは生ける前に、全体のお花の構造などをスケッチするそうで、以前からそのスケッチを描くにあたって、「この方は絵が上手だなあ」と気にかけられている方がおいでだったんだそうです。そして今回受講された折に。その方のスケッチを撮影させていただいて、ggの時に私に見せてくださいました。私もAさんがどういう絵を描いていきたいのかを知っておきたかったので以前よりお願いしていました。Aさんはご自分はまだまだ…と謙遜されておられますが、私には、Aさんが目指そうとされているデッサンへ十分達しているんじゃないかなあと思います。なかなか自分の絵の強みを自分で把握することは難しいのですが、こうして今日のデッサンを見させてもらっても、例えば中心に描かれた、手前から奥へと伸びてゆく枝の表情とか、随分と空間も質感も感じられる触覚的なデッサンになっていますよね。こういった、まるで手に触れられるような触覚的な描きこみを、生け花の主となるところで描き、副や体などは、筆圧を弱めたり、調子を控えたりしながら、強弱をつけるといいかもしれません。弱といっても手を抜くのではなくて、逆に強の部分を描く以上に丁寧に。弱として、まるで霞を撫でるように丁寧に触りながら描くことが大切だと思います。弱のあしらいで、主たる美しさも、バランスも決まってくるのかもしれませんね。