ちよなみ移動どう物園





実は4年前から、イラストレーターのちよさんと「ちよなみ移動どう物園」と名して、上田市にある千曲荘病院の玄関や長期入院病棟のラウンジなどで展示をさせていただいています。数年前、ご主人様を看病されていたちよさんが、長期入院病棟に出入りする際に、院内の殺風景な空気が気になっていたのだそうです。その時に、いつかご主人様のように長期入院されている方にも院内に絵やアートを並べて、気分転換したり、癒したりしてもらえたらいいな、そういうお手伝いができたらいいなと、胸中秘めておられたのでした。4年前ちよさんとお話をしている際に「夢」の話になり、ちよさんの夢は何ですか?とお聞きしたところ、上記のような夢があるんですとお答えになりました。それを聞いて私はとても共感し、私はちよさんの夢を現実化したい!と思ったのが始まりです。病院に関わっておられるちよさんのご友人と連絡をとり、病院とつなげていただき、長期入院病棟の当時の婦長さんにその旨相談したところ、大変快く承知してくださって、展示が始まりました。ちよさんが長年胸に秘めておられた夢が現実になることもエキサイティングでしたし、出来上がって展示した時の患者さんたちのとっても嬉しそうな反応、笑顔に、何より私たちが力をいただきました。ボランティアということもあり年に一度ではありますが、クリスマスの頃に展示の計画を立て、それ以来毎年、ちよさん作のキャラクターの世界観とごとう作の動物とを融合させた空間を、二人で話し合い楽しみながら作ってきました。
今年は大きな気球に乗ったうさぎちゃんとネズミくんたち、そしてマレーバク。
今までに作ったものは、カエルのフーちゃんや大きなモミの木、シロクマやペンギン、ワオキツネザルやハシビロコウなど。4年目ということで、いままで作ったものは千曲荘病院別館へつながる玄関通路のスペースに移動しました。ここは病院関係者の方が多く通ったり、小休止するスペース。もちろん患者さん方も行き来されます。いろんな方が日々行き来するこの場所ですが、数年前に展示したpapaがなんとある日突然赤ひげをあしらわれたのだそうです!それ以降通るたびに、阪神タイガースが優勝した時には阪神の帽子を被ったりと時事を反映しているのだそう。今回見た時には、野球帽を被り胸にはクリスマスのプリントが貼られ、首からはレイもかけられてなんだかpapaも楽しそうでした。 でも、このユニークな創作はとってもミステリーで、私達を担当してくださっている職員の方も誰がやっているのか分からないそうなんです。私としても作りとして隙のあるpapaだけに手を入れているあたり、妙に納得してしまいました。これを行なっている人物なかなかのツワモノ、千曲荘病院版バンクシーのようです。papaに並んで次はmamaを作らなくちゃね!なんて冗談言いながら、先日も楽しく搬入してきました。

私は、個人的にボランティアというものの価値を自分の中でいまひとつ定めきれていない人間です。ただの自己満だったり偽善だったりしないの?っていう斜めからの視点を持ちあわせている人間です。そんな私がなぜこの展示に携わっているか。それはちよさんの夢の現実化の手伝いをしたいから。旦那さんを看病されていた時に感じていたちよさんの、様々な想いをカタチにするためになら私にできることは全力でしたい、そう思ったからです。
4年目の今年、改めてちよさんと今後のお話をしました。例えば歯医者さんの待合室でドキドキしながら待っている時とか(私がいまだにそうですが)、物言わぬけれど目を合わせていたら、なんだか落ち着いてきたな。そんな風にほんの少しの癒しを、多くの方へ届けられたら嬉しいねと確認し合いました。
日々の生活があってのこの制作。結構ギリギリセーフな感じで今までも来ております笑。
営業をかけることもスケジュール管理なども苦手な私達。
私やってもいいよーという方がおられましたら是非ぜひお知らせください。