20170306

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Aさんのgg。月に1回行っているgg華道部でご一緒させていただくことになって以来、お花を通して世界を見つめることで、華道は絵画や美術と共通する点があることや、相互作用となって影響を及ぼしつつあることを私は度々発見しそれに感動しているこの頃。いいご縁をいただいたなあと感謝しています。本日のAさんのggは引き続きクロッキーをしました。Aさんはそれぞれのお弟子さんにお稽古をされていく中で「人様の生けたお花を見ていると、自分も勉強になる」と、さらにご自分の志しを明確にされています。そのことが、ggで続けておられるクロッキーに最近如実に現れていることを、私は今日のggでも実感しました。描かれた葉の行く先がどこなのか、それぞれの花弁の抑揚の違い、花器を含めた全体のバランスなど今までは一欠片のピースだったのが、全体としてカチッカチッとはまっていくような感覚をAさんの画面から感じます。一に注視し全体も観るような、局部に焦点を合わせながら常に全体にも合わせているというような視点の感覚を、クロッキーから感じるのです。花は立体です。3Dで空間に生けます。絵画は平面です。ちょっとした細工をしないと平面に3Dは描き表せないのですが、実際にお花を生けている感覚で絵を描くことでリアリティを含み画面に絵が生まれます。そのコツを掴みつつあるAさんの描写はここから一気に進むような気がしてワクワクします。知らぬ間に見えている花器をしっかり描くことで画面が安定するという発見も実感されたAさん。「見えているのに意識しないと気付かないものを、何気なく見えたように描く」ためには、一度全てに視線を向けて観察することと、自分がどの程度それを無意識に見ているかを知ることで、表せるように思います。なんだか禅問答のようで面白い。感覚の時差。このズレが描く情景を豊かにしていくのかもしれません。