20230421

新しく入会されたAさんは、約10年前私がながのこども美術学校で教えていた頃の最初の卒業生です。お会いした頃は小学生だったけれど、現在は立派に社会人としてお勤めされています。改めてgg入会のご連絡を頂いた時は何とも感慨深く、大変ありがたい気持ちになりました。老いる一方のこちらと違ってAさんはぴちぴちワクワク笑。それだけで私も元気になれる気がします!笑。 
さて、普段から水彩絵の具などを主に使ってイラストを描かれているAさん。ggでは基礎的なデッサンから始めたいとのことでしたので、事前に鉛筆を用意していただき、最初は鉛筆のけづり方、続いて基礎的なパースのお話をさせていただきました。

ペンタブやタッチペン主流の昨今、こうしてカッターを操って一本一本、木の鉛筆を削る作業は何とも地道なもの。けれどAさんは楽しい!と仰って、器用に用意した全ての鉛筆を削ることができました。それがなんとも上手!初めてとは思えませんね。

鉛筆を削り終えた後は、画用紙で描き味を楽しみました。鉛筆を横に寝かせて手首のスナップを使ってサササーと描くと、鉛筆の芯の硬さで調子も変わります。また画用紙を擦る音も違います。ストロークを重ねて色を濃くすることや、ティッシュや擦筆で擦った時の調子の感じ。練り消しの効果的な使い方など、ひととおりデッサンに必要な技術をお伝えしました。さあ最後はパースの説明です。立方体や円柱、球体のパースの捉え方をざっと解説して本日は時間終了。「デッサンってセンスだけじゃないことを知って少しホッとしました」とAさん。そうですね、デッサンって割と数学的なんです。逆に感覚で描いてしまうとデッサンの面白みも半減してしまうかも。
さて次回から本格的にデッサンに入ります。思いついたらパッと形になる、便利なツールがスマホに沢山入っている今、デッサンはなかなか地味な作業です。でも時間をかけてモチーフをじいーっと眺めて、今までは見えてなかった色や形も沢山発見することでしょう。これからのAさんのデッサン、私もとても楽しみにしています。